事業再構築補助金の採択率と高めるための方法【過去の結果一覧】

事業再構築補助金の採択率と高めるための方法【過去の結果一覧】

事業再構築補助金は、申請した方の中から条件をクリアし採択された方にのみ交付されます。

では、応募した方のうち、どのくらいの方が採択されているのでしょうか。

この記事では、過去の事業再構築補助金の採択率について、推移や条件ごとの数字をご紹介します。

これから事業再構築補助金の申請を行う方はぜひ参考にしてください。

事業再構築補助金の採択率の推移【第1〜8回】

ここでは、事業再構築補助金の採択率について、過去8回分の傾向をご紹介します。

事業再構築補助金「通常枠」採択率の推移【第1〜8回】

事業再構築補助金の通常枠における採択率は、以下の表からご確認ください。

公募回 応募数 採択数 採択率
第1回 22,229件 8,015件 36.0%
第2回 20,800件 9,336件 44.9%
第3回 20,307件 9,021件 44.4%
第4回 19,673件 8,810件 44.8%
第5回 21,035件 9,707件 46.1%
第6回 15,340件 7,669件 49.9%
第7回 15,132件 7,745件 51.1%

第8回

12,591件 6,456件 51.3%

ここ最近の数字としては、採択率は50%前後で推移していることが多いです。

補助金申請の採択率としては高い数字のように感じられますが、出せば50%の確率で採択されるというわけではありません。
採択されるためには、綿密な事業計画書作りが重要となりますので、注意しましょう。

条件別・事業再構築補助金の採択率【第8回】

条件別・事業再構築補助金の採択率【第8回】

ここからは、条件ごとに事業再構築補助金の採択率をご紹介します。
なお、ここでは第8回公募の数字を採用しています。

応募枠別の採択率

事業再構築補助金は、応募枠ごとに採択率が異なります。
通常枠、大規模賃金引上枠、回復・再生応援枠、最低賃金枠、グリーン成長枠、緊急対策枠の6つの応募枠別に、それぞれの採択率をご紹介します。

応募枠 応募数 採択数 採択率
通常枠 7,261件 3,582件 49.3%
大規模賃金引上枠 8件 4件 50.0%
回復・再生応援枠 1,522件 879件 57.7%
最低賃金枠 165件 117件 70.9%
グリーン成長枠 434件 173件 39.8%

緊急対策枠

3,201件 1,721件 53.7%

枠ごとに多少のバラつきはあるものの、大体50%前後の採択率となっている応募枠が多いです。

最低賃金の引上げの影響により、原資の確保が難しい中小企業等を対象に支援する「最低賃金枠」で最も採択率が高く、70%を超えています。

反対に、グリーン分野での事業再構築を通じて高い成長を目指す事業者を支援する「グリーン成長枠」で最も採択率が低く、40%を下回っています。

業種別の採択率

事業再構築補助金の業種別採択率をご紹介します。

業種 応募数構成比 採択数構成比
建設業 13.1% 13.0%
製造業 19.6% 25.5%
情報通信業 3.5% 3.2%
運輸業、郵便業 1.4% 1.6%
卸売業、小売業 15.9% 15.3%
不動産業、物品賃貸業 4.3% 3.4%
学術研究、専門・技術サービス 6.3% 5.8%
宿泊業、飲食サービス業 14.7% 15.1%
生活関連サービス業 7.7% 6.2%
教育、学習支援業 1.6% 1.3%
医療、福祉 3.8% 2.5%
サービス業(他に分類されないもの) 6.0% 5.4%
その他 2.1% 1.7%

応募数、採択数ともに、特に製造業、卸売・小売業、宿泊業・飲食サービス業が多く、構成比においてもこれらの業種は多く応募・採択されていることが分かります。

ほとんどの業種で、応募・採択それぞれにおける構成比の変化は少なくなっています。
全体での採択率が50%前後で推移していたことから考えると、ほぼ全ての業種で、応募数に対して大体50%前後の採択数があると言えるでしょう。

ただ、製造業では応募数よりも採択数における全体で占める割合が6%近く上昇しています。
ここから、製造業では採択率は50%以上となっており、他の業種より高い採択率であるだろうと考えられます。

認定支援機関別の採択率

事業再構築補助金の認定支援機関別の採択率をご紹介します。

種類 応募数 採択数 採択率
銀行 125件 73件 58.4%
地銀 2101件 1257件 59.8%
信用金庫 1681件 965件 57.4%
信用組合 133件 66件 49.6%
商工中金 34件 23件 67.6%
税理士 1239件 497件 40.1%
税理士法人 932件 399件 42.8%
公認会計士 335件 157件 46.9%
商工会 592件 297件 50.2%
商工会議所 743件 340件 45.8%
中小企業診断士 1164件 629件 54.0%
行政書士 67件 67件 43.2%
民間コンサルティング会社 2773件 1399件 50.5%
一般社団法人 76件 32件 42.1%
公益財団法人 109件 67件 61.5%
コンサルタント 188件 76件 40.4%
その他 200件 108件 54.0%

認定支援機関の中でも、応募数は金融機関が約4,000件で最も多くなっています。次いで多いのが、税理士関係の約2,200件、商工会・商工会議所の約1,300件です。

商工中金と公益財団法人の2つだけが、採択率60%を超えています。全体として、地銀や信用金庫、商工中金は採択率が高いです。

また、中小企業診断士や、民間のコンサルティング会社など、経営領域に特化している専門家に任せると、採択率が高くなる傾向にあります。

事業再構築補助金の事業計画書作成時には、認定支援機関への依頼が必須です。そのため、事業再構築補助金に応募する方は、この認定支援機関の選定を必ず行うことになります。今回ご紹介した数字を参考にしながら、ご自身の置かれた状況をより理解し、細やかな対応を行ってくれる機関に依頼しましょう。

事業再構築補助金の採択率詳細【第1〜7回】

事業再構築補助金の採択率詳細【第1〜7回】

これまでの事業再構築補助金の採択率について、第1回〜第7回までそれぞれの詳細を解説します。

第1回事業再構築補助金の採択率

第1回公募の採択率は、以下の通りとなっています。

応募枠 応募数 採択数 採択率
通常枠 16,968件 5,104件 30.0%
卒業枠 80件 45件 56.2%

特別枠

5,181件 2,866件 55.3%

第1回公募は、これまでで最も通常枠の採択率が低く、30%となっています。

第2回事業再構築補助金の採択率

第2回公募の採択率は、以下の通りとなっています。

応募枠 応募数 採択数 採択率
通常枠 14,859件 5,388件 36.2%
卒業枠 48件 24件 50.0%
特別枠 5,893件 3,924件 66.5%

通常枠の採択率は、第1回公募より約6%上昇しました。また、特別枠の採択率も第1回公募より大幅に上昇しています。

第3回事業再構築補助金の採択率

第3回公募の採択率は、以下の通りとなっています。

応募枠 応募数 採択数 採択率
通常枠 15,423件 5,713件 37.04%
大規模賃金引上枠 20件 12件 60.0%
卒業枠 44件 20件 45.4%
緊急事態宣言特別枠 4,351件 2,901件 66.6%
最低賃金枠 469件 375件 79.9%

第3回公募でも、さらに通常枠の採択率はアップしています。この時から追加された最低賃金枠では、これまでになく高い8割近い採択率となりました。

第4回事業再構築補助金の採択率

第4回公募の採択率は、以下の通りとなっています。

応募枠 応募数 採択数 採択率
通常枠 15,036件 5,700件 37.9%
大規模賃金引上枠 12件 6件 50.0%
卒業枠 17件 8件 47.05%
緊急事態宣言特別枠 4,217件 2,806件 66.5%
最低賃金枠 391件 290件 74.1%

前回同様、最低賃金枠では高い採択率となっています。大規模賃金引上枠の採択率は、第3回と比べて下がっています。この枠は応募数自体が少ない枠ですので、採択率の変化が大きく出やすいです。

第5回事業再構築補助金の採択率

第5回公募の採択率は、以下の通りとなっています。

応募枠 応募数 採択数 採択率
通常枠 16,185件 6,441件 39.7%
大規模賃金引上枠 13件 8件 61.5%
卒業枠 21件 9件 42.8%
緊急事態宣言特別枠 4,509件 3,006件 66.6%
最低賃金枠 306件 243件 79.4%
グローバルV字回復枠 1件 0件 0%

第5回では、第4回とほぼ同様の結果となっています。前回、一度下がった大規模賃金引上枠の採択率が、第3回の水準に戻っています。

第6回事業再構築補助金の採択率

第6回公募の採択率は、以下の通りとなっています。

応募枠 応募数 採択数 採択率
通常枠 11,653件 5,297件 45.4%
大規模賃金引上枠 9件 55.5% 55.5%
回復・再生応援枠 2,933件 1,954件 66.6%
最低賃金枠 252件 216件 85.7%
グリーン成長枠 493件 197件 39.9%

通常枠の採択率が前回よりさらにアップし、初めて40%を超えました。その他、第6回から用意された特別枠では、通常枠以上の採択率となっています。

第7回事業再構築補助金の採択率

第7回公募の採択率は、以下の通りとなっています。

応募枠 応募数 採択数 採択率
通常枠 9,292件 4,402件 47.3%
大規模賃金引上枠 11件 5件 45.4%
回復・再生応援枠 2,144件 1,338件 62.4%
最低賃金枠 162件 131件 80.8%
グリーン成長枠 543件 217件 39.9%
緊急対策枠 2,980件 1,652件 55.4%

通常枠の採択率はさらにアップし、47%超えと50%目前に迫っています。その他の枠組みでは、第6回との差はあまりありません。

【まとめ】採択率50=申請が簡単というわけではない

ここまで、事業再構築補助金のこれまでの採択率について、公募回や業種などに細かく分けて解説してきました。

最近の傾向としては、事業再構築補助金の採択率は全体で約50%程度と、補助金交付においては高い水準を保っています。

しかし、採択率が高いからといって、申請が簡単なわけではありません。事業再構築補助金の申請には、事業計画書の作成をはじめ、用意すべき書類が多くあったり、工程が多かったりと、綿密な準備が必要とされます。

それら全てを一人で準備するのは難しく、結局申請できずに公募期間が終わってしまうような事態になりかねません。

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