
経済産業省が実施している補助金・助成金は、数多くの種類が用意されています。
今回は、経済産業省の用意する補助金・助成金を一覧にし、まとめてご紹介します。幅広くさまざまな種類の補助金について解説しますので、補助金申請を検討する際の参考にしてください。
経済産業省の中で補助金事業が多い庁
経済産業省の中でも、補助金事業を多く扱っているのは中小企業庁です。次いで資源エネルギー庁からも多くの補助金が提供されています。
今回は、中小企業庁と資源エネルギー庁が提供する補助金をそれぞれご紹介します。
中小企業庁が実施する人気の補助金
まずは、中小企業庁が提供する補助金を見ていきましょう。全部で11個ご紹介するので、ご自身が活用しやすい補助金・助成金を見つける際の参考にしてください。
1.ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金は、今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するため、中小企業・小規模事業等に対して支援を行う目的で提供されている補助金です。
「ものづくり補助金」とも呼ばれています。
具体的には、革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援します。
通常枠、回復型賃上げ・雇用拡大枠、デジタル枠、グリーン枠、グローバル市場開拓枠の5つの類型が用意されており、どの類型に該当するかによって補助金額が異なります。
2.IT導入補助金
IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者等のITツール等を導入する経費の一部を補助する制度です。2017年から開始され、中小企業・小規模事業者等の業務効率化・売上アップを目的としています。
通常枠(A・B類型)、セキュリティ対策推進枠、デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)の3つの類型が用意されています。
それぞれの類型によって補助率・補助金額は異なり、全体では5万円〜450万円以下での補助金を受け取ることができます。
3.小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、中小企業や小規模事業者等に向けて、制度変更に対応するための販路開拓等の取り組みに対して提供される補助金です。
地域の雇用や産業を支える中小企業・小規模事業者等の生産性向上と持続的発展を目的としています。
補助金額は最大250万円となっており、6つの類型のうち条件に当てはまる枠での申請が行えます。
なお、1社について、1年度で1枠のみ申請できます。
4.キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金は、有期雇用労働者等の正社員化、処遇改善の取り組みを実施した事業主に対して提供される助成金です。有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる「非正規雇用」の労働者の企業内でのキャリアアップを促進することを目的としています。
コースによって補助金額は大きく異なり、3万3,000円〜最大60万円の補助が受けられます。
5.働き方改革推進支援助成金
働き方改革推進支援助成金は、中小企業に対して提供される助成金です。
2020年4月から、中小企業に対して時間外労働の上限規制が適用されるようになりました。
それに伴って、生産性向上、時間外労働の削減、年次有給休暇や特別休暇の促進に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主に対して、この助成金が提供されるようになっています。
補助金額は、以下いずれかの低い金額です。
(1)成果目標1から3の上限額および賃金加算額の合計額
(2)対象経費の合計額×補助率3/4(※)
(※)常時使用する労働者数が30人以下かつ、支給対象の取組で6から9を実施する場合で、その所要額が30万円を超える場合の補助率は4/5
6.65歳超雇用推進助成金
65歳超雇用推進助成金は、高年齢者が意欲と能力のある限り年齢に関わりなく働くことができる生涯現役社会を実現することを目的に提供されている助成金です。
65歳以上への定年引上げや高年齢者の雇用管理制度の整備等、高年齢の有期契約労働者の無期雇用への転換を行う事業主が対象です。
65歳超継続雇用促進コース、高年齢者評価制度等雇用管理改善コース、高年齢者無期雇用転換コースの3つのコースから構成されています。
コースごとに定められた補助額を受け取ることができます。
7.両立支援助成金
両立支援助成金は、職業生活と家庭生活の両立支援に対する事業主等の取り組みを促進し、労働者の安定した雇用を図るために用意されている助成金です。
対象となるのは、働き続けながら子育てや介護を行う労働者の雇用の継続を図るための就業環境整備に取り組む事業主です。
出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)、介護離職防止支援コース、育児休業等支援コースの3つのコースから構成されており、それぞれに定められた金額を受け取ることができます。
8.トライアル雇用助成金
トライアル雇用助成金は、職業経験、技能、知識等から安定的な就職が困難な求職者について、ハローワークや職業紹介事業者等の紹介により、一定期間試行雇用した場合に提供される助成金です。
求職者の適性や業務遂行可能性を見極め、早期就職の実現や雇用機会の創出を図ることを目的としています。
紹介日時点で、ニートやフリーター等で55歳未満の人が対象となります。支給額は、支給対象者1人につき月額4万円です。その他にも細かな要件が指定されているため、申請を検討する際は詳しくチェックしましょう。
9.中途採用等支援助成金
中途採用等支援助成金は、中途採用者の雇用管理制度を整備した上で、中途採用の拡大を図る事業主に対して助成するものです。
中途採用率の拡大に対して50万円、45歳以上の中途採用率の拡大に対して100万円の補助が出されます。
10.人材開発支援助成金
人材開発支援助成金は、労働者の訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度です。
事業主等が雇用する労働者に対して、職務に関連した専門的な知識や技能を習得させるための職業訓練等を計画に基づいて実施した場合に助成が受けられます。
7つのコースが用意されており、それぞれ補助金額や申請書の形式が異なります。
申請する際には、コースごとの詳細をチェックして行いましょう。
11.事業再構築補助金
事業再構築補助金は、2020年から続くコロナ禍、物価高騰などの影響を受け事業の継続が難しい事業者等が増えている状況を受け、中小企業等に向けて用意された補助金です。
中小企業等の付加価値額向上や賃上げ、日本経済の構造転換を促すことを目的としています。
最低賃金枠、物価高騰対策・回復再生応援枠、産業構造転換枠、成長枠、グリーン成長枠、サプライチェーン強靭化枠の計6つの類型に分かれており、それぞれの枠に応じた補助金額が提供されます。
資源エネルギー庁が実施する人気の補助金
ここからは、資源エネルギー庁が提供する中でも人気の補助金をいくつかご紹介します。
1.省エネルギー投資促進に向けた支援補助金
省エネルギー投資促進に向けた支援補助金では、事業者の省エネ設備への入れ替えを促進するための支援金が用意されています。
具体的には、「先進設備・システム」、「オーダーメイド型設備」を導入する際に補助金が受けられます。また、ユーティリティ設備・生産設備などの汎用的な設備については、簡易な手続きで申請できる区分も設けられています。
先進事業、オーダーメイド型事業、指定設備導入事業、エネルギー需要最適化対策事業の4区分に分けられており、上限額が億単位の大きな金額が補助として受けられる事業です。
2.省エネルギー設備投資に係る利子補給金助成事業費補助金
省エネルギー設備投資に係る利子補給金助成事業費補助金は、省エネ設備の新規導入や増設、省エネ取り組みのモデルケースとなり得る事業等への支援を行う制度です。
資金調達が障壁となり、省エネに向けた取り組みに躊躇している事業者が、省エネ投資を促進しやすくすることを目的としています。
具体的には、新設事業所における省エネ設備の新設、既設事業所における省エネ設備の新設・増設、物流拠点の集約化に係る設備導入、エネルギーマネジメントシステム導入等によるソフト面での省エネ取り組みの際に、民間金融機関等から融資を受ける事業者に対する補助を行います。
3.中⼩企業等に向けた省エネルギー診断拡充事業
中⼩企業等に向けた省エネルギー診断拡充事業では、省エネルギーの専門家が中小企業等の工場やビルを訪問し、エネルギーの無駄遣いがあるポイントや、すぐにできる省エネのヒント等をアドバイスします。
現地診断ののち、診断報告書にまとめて報告が行われます。診断の費用はかかりますが、0円からできるコスト削減方法を提案してもらえたり、今後も継続的にかかるエネルギー費用を抑えたりするのに役立つため、長期的なコストカットに繋がります。
申込期限は、2024年1月上旬までとなっています。
人気の補助金≠自分に合った補助金
今回は、経済産業省が提供する補助金の中でも、比較的利用者が多く、メジャーな補助金をご紹介しました。しかし、人気がある補助金だからといって、必ずしも自分にとって良い補助金だとは限りません。ご自身の置かれた状況や利用目的に応じて、自分に合う補助金を活用しましょう。
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