小規模事業者持続化補助金<災害支援枠>(令和6年能登半島地震)を徹底解説

小規模事業者持続化補助金<災害支援枠>(令和6年能登半島地震)を徹底解説

小規模事業者持続化補助金 災害支援枠とは

小規模事業者持続化補助金「災害支援枠」とは、令和6年能登半島地震で被災した小規模事業者が行う災害からの事業再建の取り組みを支援する補助金です。

今回対象となっているのは、特定非常災害に指定された「令和6年能登半島地震」の被災区域4県の石川県、富山県、新潟県、福井県の小規模事業者です。生産設備や販売拠点など事業用資産に損壊などの直接的な被害売上減少など間接的な被害を受けて、顧客や販路喪失といった状況に直面している被災地域の小規模事業者が活用できる補助金となっています。

小規模事業者持続化補助金の通常枠などの情報は下記を参考にしてください。

参考URL:https://s23.jizokukahojokin.info/

小規模事業者持続化補助金 災害支援枠 補助対象者・要件

小規模事業者持続化補助金の災害支援枠の補助対象者の要件は下記7点が重要なポイントとなります。

  • 石川県、富山県、新潟県、福井県に所在する令和6年能登半島地震により被害を受けた事業者
  • 小規模事業者等であること
  • 早期の事業再建に向けた計画を策定している
  • 資本金又は出資金が5億円以上の法人に直接又は間接(※)に100%の株式を保有されていないこと(法人のみ)
  • 直近過去3年分の「各年」又は「各事業年度」の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと
  • 商工会議所の管轄地域内で事業を営んでいること
編集部コメント

小規模事業者の定義としては下記を参考にしてください。

  • 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く):常時使用する従業員の数5人以下
  • サービス業のうち宿泊業・娯楽業:常時使用する従業員の数20人以下
  • 製造業(その他):常時使用する従業員の数20人以下

小規模事業者持続化補助金 災害支援枠 補助率・補助上限額

小規模事業者持続化補助金_災害支援枠_補助率、補助上限額

小規模事業者持続化補助金の災害支援枠の補助上限額・補助率を解説していきます。

補助上限

小規模事業者持続化補助金の災害支援枠の補助上限金額に関しては、震災によって「直接的な被害を受けた事業者」と「間接的な被害を受けた事業者」のいずれかによって異なります。

災害支援枠のポイント
  • 直接被害:自社の事業用資産に損壊等の直接的な被害を受けた ⇒ 200万円
  • 間接被害:能登半島地震に起因して、売上げ減少など間接的な被害を受けた ⇒ 100万円

補助率

補助率は、基本的に補助対象経費の3分の2以内となっています。

また、下記の要件をすべて満たす場合は定額となります。

  1. 過去数年以内に発生した災害で被害を受けた以下のいずれかに該当する事業者
    1. 事業用資産への被災が証明できる事業者
    2. 災害からの復旧・復興に向けて国等が実施した支援を活用した事業者
  2. 過去数年以内に発生した災害以降、売上高が20%以上減少している復興途上にある事業者
  3. 交付申請時において、過去数年以内に発生した災害からの復旧又は復興に向けた事業活動に要した債務を抱えている事業者

※過去数年以内に発生した災害とは、過去5年以内を目安に発生した災害であって災害救助法の適用を受けたものです。

小規模事業者持続化補助金 災害支援枠 補助対象事業

補助対象となる事業者は下記の3つのポイントを満たすことが求められています。

災害支援枠のポイント
  1. 早期の事業再建に向けた取り組み
  2. 1年以内に売上につながることが見込まれる事業活動
  3. 事業実施期間内に実施できる取り組みであること

1に関しては、災害による被害からの事業再建が目的となるため、事業再建と関係のない復旧・買換え費用は対象外です。ただし、損壊等の被害を受けた事業用資産の取替え・買換えは補助対象となります。

2に関しては、本事業の完了後、概ね1年以内に売上げにつながることが見込まれる事業活動(=早期に市場取引の達成が見込まれる事業活動)と公募要領に記載されています。

3に関しては、事業実施期間は、令和6年1月1日の能登半島地震により被災した日時以降の補助事業開始日から令和6年8月30日(金)までと決められています。採択発表が4月~5月頃だと仮定すると3~4ヶ月で実施出来る取り組みであることが要件となっています。

 

参考までに、公募要領に記載されている取り組み事例は下記となります。

  • 新商品等を陳列するための陳列棚や什器等の備品の購入
  • 商品サービスを訴求するためのチラシ、冊子、パンフレット、ポスター等の制作
  • 新規ネット販売・予約システム等の導入
  • 新商品サービスの開発に当たって必要な図書の購入
  • 事業再建の取組に必要となる機械等の導入
  • 販売のスペース増床のため、所有する死蔵の設備機器の処分
  • 事業再建の取組のための車両の購入
  • 新商品開発等に伴う成分分析等の検査・分析の依頼
  • 商品PRイベントの実施
  • ブランディングの専門家から新商品開発に向けた指導、助言
  • 店舗改装(小売店の陳列レイアウト改良、飲食店の店舗改修を含む。)

小規模事業者持続化補助金 災害支援枠 補助対象経費

小規模事業者持続化補助金_災害支援枠_補助対象経費

補助対象経費は、次の3つをすべて満たす必要があります。

  1. 使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
  2. 交付決定日以降に発生し対象期間中に支払が完了した経費
  3. 証拠資料等によって支払金額が確認できる経費

対象経費としては下記となります。

  1. 機械装置等費
  2. 広報費
  3. ウェブサイト関連費
  4. 展示会等出展費
  5. 旅費
  6. 新商品開発費
  7. 資料購入費
  8. 借費
  9. 設備処分費
  10. 委託・外注費
  11. 車両購入費

各経費には条件がついているので、申請を検討する方は公募要領をご自身でご確認することを推奨します。または専門家に依頼しましょう。スマート補助金にご相談する場合はお問い合わせからご連絡くださいませ。

その他にも、自社が利用できる補助金を知りたい方は、ぜひ「補助金・助成金無料診断」を試してみてください。

 

小規模事業者持続化補助金 災害支援枠 公募スケジュール

小規模事業者持続化補助金の災害支援枠の公募スケジュールは下記の通りです。1月25日に公募開始となり、2月末には郵送する必要があるため、申請期間としては1ヶ月と短い期間となっています。

災害支援枠の公募スケジュール
  • 公募開始:令和6年1月25日(木)
  • 1次受付開始:令和6年2月1日(木)
  • 1次受付締切:令和6年2月29日(木)(郵送:締切日当日消印有効)

※2次公募以降については、今後公表される予定です。

また、無事に採択された場合、事業実施期間は、令和6年1月1日の能登半島地震により被災した日時以降の補助事業開始日から令和6年8月30日(金)までと決められています。その後、事業完了後30日以内、または令和6年9月9日(月)のいずれか早い日までに実績報告を行う必要があります。

小規模事業者持続化補助金 災害支援枠 申請方法

小規模事業者持続化補助金の災害支援枠の申請方法は下記4つのステップで行います。注意が必要な点としては、ステップ2で地域の商工会議所の窓口に「経営計画書(様式2)」を提出して「支援機関確認書(様式3)」を受け取る必要がある点です。直前に商工会議所に提出しても受け付けてもらえない可能性があるため、余裕を持って早めに依頼するようにしましょう。

  1. 申請に必要な書類を確認の上、作成、用意してください。
  2. 補助金事務局等に申請をする前までに、「経営計画書」(様式2)の写しを、補助事業を行おうとする事業所の地域の商工会議所の窓口(通常業務時間内)に提出の上、「支援機関確認書」(様式3)の作成・交付を依頼してください。
  3. 後日、地域の商工会議所が「支援機関確認書」(様式3)を発行するので受け取ってください。
  4. 受付締切までに、必要な提出物を全て揃えて、補助金事務局まで郵送により提出

(必要な提出に関しては、【Ⅲ.応募時提出 資料】(P.30)をよくご確認ください)

参考資料:小規模事業者持続化補助金<災害支援枠>公募要領

小規模事業者持続化補助金 災害支援枠 申請に際しての注意

小規模事業者持続化補助金の災害支援枠については、提出方法は「郵送のみ」受け付けています。電子申請や持参などの提出方法は認められてないので気をつけてください。また、郵送の場合に少し前に郵送しても締め切りまでに届くか不安という方もいると思いますが、締切日(令和6年2月29日(木))当日の消印有効となりますので、ご安心ください。

また、申請方法においても触れましたが、作成した「経営計画書」を地域の商工会議所・商工会に提出した上で「支援機関確認書」を受け取る必要があります。この手続きに一定時間を要する可能性があるためあらかじめ、余裕を持って申請を行うようにしましょう。

申請先・お問い合わせに関して

事業者の事業を営む地域が、商工会、商工会議所のいずれかの管轄であるかによって、申請先・相談窓口が異なります。